明日もいつも通りに、会いましょう。
「どこ行くのっ!
食堂、あっちだよっ!」
私は彼に引っ張られながら必死になって言う。
でも彼は表情ひとつ変えず走り続け、
校舎を出て、
それでもスピードを止めることなく走る。
あわわわわ…。
息が切れるって。
それに彼の私の手首を掴む力が強くて少し痛い。
いくら吹奏楽の基礎練で走って鍛えてるからってこんなのナシ!!
「はあ、はあ、
ダメだよ…、中村くん、
息切れするってー…」
項垂れ、
足元を見ると上靴のまま。
「ほら、…
靴…、そんままじゃん?
これで…外…出たら先…生に
怒られるよ…」
息も絶え絶えに言ってみるけど。
彼は私の声が聞こえてるのか、
聞こえてないのか、
全くスピードを落とす気もないようだ。
そして
あっという間に学校を出てしまった。