ほんとに、スキ?
記憶、無くなっちゃったのかな……
病院のロビーで座りながらそんなことを考える。
もう、
“みふゆ”
って、呼んでくれることはないのかな…
そんなの、
寂しすぎるよっ━━…。
すると向こうから、
足音が聞こえてきた。
タッタッタッタッ……━━
走ってきたのは、
こうちゃんのお母さん。
「みふゆちゃん!!!
晃太は?」
そう聞かれて、
「病室です。」
記憶のこと、言おうか迷ったけど
顔を輝かせて希望に満ちた表情のおばさんを見てると、
言い出すことができなかった。