ほんとに、スキ?


「ほんとなの?牧野さん……」



事故後、初めてなまえを呼んでくれたこうちゃん……

だけど、

“牧野さん”だった。



「ほんと、だよ……」




私は申し訳なさそうにそう、

答えた。








「じゃあ、君が横断歩道に飛び出さなければ、俺はこんな目に合うことはなかったってこと?」




……そんなこうちゃんの言葉に、

私は何も答えられなかった。



「俺、何で君のこと庇ったんだろ……」







今、一番聞きたくない言葉だった。



過去を全否定された気がして。

辛くなった……










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