ほんとに、スキ?
「もしもし?」
「よっ実冬!!!こんな時間にごめんな?」
電話の向こうからは、
夜中とは思えないほど明るい飛沫の声がした。
「ぜんぜん平気。眠れないし……」
「最近実冬、元気ないからさ。
なんか、悩みでもある?
もしかして、この前俺がコクったからとか?」
こんな時間に、心配してわざわざ電話をくれる飛沫。
私は飛沫を心から好きになれたら、
きっと幸せになれるんだろうな……
「ちょっとね……」
飛沫が、どうしても聞きたいって言うから私は
こうちゃんとのことを話すことにした。
すべてを聞き終えた飛沫は、
「答えはもう、出てるんじゃねぇのか?」
そう言った。
「え……?」
「晃太だって、実冬のこと好きっていってんだろ?だったら、悩む必要ねぇじゃん。周りのことなんて、気にするな。
周りからとやかく言われたら、お前は晃太のこと、嫌いになって諦められるのか?……お前の気持ちは、その程度じゃねぇだろ?
好き人とな、気持ちが通じ合うって
……キセキなんだよ。
それはお前が一番わかってんじゃねぇのか?
実冬……一番大切なこと、見失うなよ。
それと、俺はいつでも
……お前らの味方だかんな。」
飛沫はやっぱり、大人だね。
私は何も、わかってなかったよ……
好きな人と、気持ちが通じ合うって
キセキだよね……
一番大切なのは、
周りからどう思われるかなんかじゃない。
……お互いのキモチ。
私は飛沫に、
そう気づかされた…