ほんとに、スキ?


そのとき━━━

トントンっと肩を叩かれた。



「……実冬。」


聞き覚えのある声。

「愁くん……」


振り返ると、相変わらず整った顔の愁くんが居た。



「顔色悪いけど、大丈夫?」


「……うん。」



愁くんに相談しようかな
とも思ったけど、

人に頼る癖は直さないと

と、思って
言わないことにした。



「俺のこと、頼っていいから。
実冬はさ、一人で抱え込みすぎ。
どうせ、頼ったら迷惑かな?
とか考えてんだろ?
……そんなこと、誰も思わねぇよ。」


「……っ」



図星だった。


愁くんの目は、誤魔化せないな。



でも、

愁くんの言葉は
一つ一つが胸に響く。


やっぱり、

相談しようかな。










< 230 / 274 >

この作品をシェア

pagetop