ほんとに、スキ?


「ちょっとトイレ行ってくるねっ。」


そう言って席をたった私。




……トイレを済ませて、

席に戻ろうとしたとき━━━━



「実冬?」


突然声をかけられた。


聞き間違えるはずがないこの声。



「こう、ちゃん……」


高校卒業してからは、

会うことなんて1度もなかった。



「久し振りだな。」


一段とかっこよくなったこうちゃん。


「そだね。」



いつの日にか、もう好きって気持ちはなくなった。


愁くんと付き合い初めて、

私は愁くんに引かれていった。


そしていつのまにか。


こうちゃんへの気持ちを捨てられたんだ。




「皆、来てんのか?」


席にいる皆の方を見て、

少し寂しそうにそう言ったこうちゃん。



「うん。6人で集まろうってなって。」



「そっか……」



こうちゃんの瞳は、

寂しそうで、でもどこか懐かしそうで。


それでも、やっぱり悲しんでるようだった。



それもそうだよね。


だって、ありすとも、愁くんとも、飛沫とも

疎遠になってたんだから。



もとは友達だったはずなのに、

私とこうちゃんとのことに、

皆を巻き込んで、

こんな形にしちゃったんだ……













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