ほんとに、スキ?
手術室から出てきた先生は、
うつむきながら私たちの方へ向かってきた。
愁くんには、
年の離れたお兄さんがいる。
でも、ご両親は
愁くんが7歳の頃に
火事で死んでしまったらしい。
たった一人の家族である
お兄さんは今、
海外で仕事をしているから
連絡もとれてない。
だから私と飛沫が、
先生から話を聞くことに。
「先生っ……」
「……全力は尽くしましたが。
残念です……」
そんなことば、
聞きたくないっ……!!!
ねぇ、
誰か……
嘘だと言ってよ━━━…。