アリスと五つのスート~伝えられるダイヤの心~
第四幕
涙の痕
「ら……ん………」
眠っているありすの頬を涙が伝う。
そんなありすの顔を照らすように、カーテンの隙間から朝の光が降り注いでいます。
「―――……ん……」
むくりとありすが起き上がりました。
そのときにも、ありすの瞳からは涙が溢れ出しています。
「爛……爛……」
夢の中に居た彼は、ありすが小さな頃に約束を交わした相手だったのです。
ですが、彼にはもう二度と会うことは出来ないのだと、
ありすは心の奥底で悟ったのです。