藍白の鬼
「さて、行くかの」
なんだかんだ言って、結局コイツのペースに巻き込まれてしまったあたし。
コイツはあたしの手を逃がさないというように掴んで、歩いている。
行くとこも、帰る場所も、待ってる家族もいないあたしは、どうすればいいのか分からなかった。
施設に戻ったって、おかえりなんて誰も言ってくれない。
愛情なんてものはない。
ここの先生たちはみんなそう。
愛情注いでいるふりしないと園長先生から給料もらえないから。
って、なんか幼稚園にあたしが住み着いているような文章になってんだけど、いいのかコレ。
……高校卒業したらここから出れるって思ってたけど、それが思ったより早かったらしい。
いや、違うか。
…里親?
じゃないよな、こいつは。
……マジでこいつなんなの。