藍白の鬼
「で、あぁいう人があと5、6人いるからね」
「……なんで?」
あたしの疑問に、葉月は苦い顔をした。
「…まぁ、女からしたらそんないいことじゃぁないんだけどねぇ……」
言いにくそうに葉月はあたしから視線を逸らし、まぁ蓮華も18だしいいか…とブツブツ呟く。
「道具だよ、京次の」
「…………………え、あんなに?」
ヤレヤレと呆れたように言う葉月の言葉を理解したあたしは、素っ頓狂な声をもらす。
「ホラ、京次って見るからに欲求不満だろう?」
「はぁ…」
……そうなのか?
曖昧な返事をしたあたしは葉月を見る。
黒がベースの、赤と白で弧を描くような絵柄の着物が良く似合っていた。