藍白の鬼


それからあたしたちは京次の家に戻った。


……淋さんと楓太さんをつれて。


「へぇ…こんなとこにこんな大きな屋敷あったんだ…」


門をくぐった楓太さんが感嘆するように言い、キョロキョロとあたりを見渡す。


「透鬼、だからな…京次は」


淋さんが目を伏せ、息をつく。


「……ふうん…」


先を歩く京次を、楓太さんが尻目に見た。
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