藍白の鬼


-----ガサッ


急に、背の方から草むらに倒れこむような音がした。


あたしは音がした方に行く。


月の光があたしの進むべき道を照らしてくれているようだった。


「―――」


何か、聞こえる。


あたしは不安になりながらも、その道を行く。


「―――」


足を進めるたびに、その音はだんだんはっきりと聞こえてくる。


「…くっ……っは…は……はぁっ……」


その音は苦しげに息をする音だった。



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