藍白の鬼
もちろん最初は、こんなクソヤローなんか好きになるはずないって思ってた。
だけど、物語でもありきたりな話。
あたしは永久にこのクソヤローの傍にいたいと思った。
それは、このクソヤローが独りぼっちで、寂しがり屋で愛不足のピーターパン症候群だから同情してるからなのかもしれない。
はたまた、あたしがこいつに惚れ込んでるからなのかもしれない。
このクソヤローが。
京次が寂しい思いしないように、あたしが傍にいたいと思った。
なんて、こんな言葉。
口が裂けても京次には言えねえけど。
「あのさ、京次、」
「なんじゃ、惚れたか?」
「…煩い黙れ喋るな口塞ぐぞ」
あたしがそう言うと、京次は満足そうに笑った。
end