藍白の鬼


「だいじょうぶ?」


あたしはゆっくりとその人に近づく。


「だれだ…」


苦しながらも、その人はあたしに問いかけた。


声で分かった。


この人は男の人だ。


「れんげっていうの。よしのれんげ!」


あたしは元気よく言った。


「……こども…?」


その人が目だけをあたしに向けた。


「いたい?だいじょうぶ?」


あたしはその人の近くに行く。


手を触ると少し冷たかった。


「じき…に治る……」


その人は苦しそうにそう言って眉間にシワを寄せた。


その人の汗が月の光に照らされて、輝く。




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