藍白の鬼


男の顔は少し火照っていた。


傷のせいで、熱が出ているのだろうか。


あたしは何を思ったのか、池の方へ走り出した。


そして池に着くと、ぬいぐるみをジャブンと浸ける。


池から取り出すと、水を含んだぬいぐるみは重たかった。


あたしはその水をぬいぐるみから出そうと、力一杯絞る。


雑巾を絞って水を出すように。


そして、これ以上水が出ないと分かったら、あたしは来た道に走る。


しかし7歳の力だ。


ぬいぐるみは、まだたくさん水を含んでいた。




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