カレの事情とカノジョの理想









蓮沼康人と、ある“条件”付きで付き合う事になった。


……はぁ。

売り言葉に買い言葉だけど、なんでこんなことに……。



昨日のお詫びに奢ると言われ、ミカとまたコーヒーショップに来ていた。

そこでつい、蓮沼康人とのやり取りを思い出し、ふと我に返って自己嫌悪に陥ってしまう。


「何でそんなに嫌がるかなぁ? カッコいじゃないヤスくん」

「そういう問題じゃないんだってば」


確かに人好きのする笑顔や、何気ない表情は、女の子の視線を集めるに十分で。

認めたくないけど、蓮沼康人はカッコいい部類に入るんだと思う。


だけど、あんな軽い男は嫌。

きっと誰にでもおんなじ態度してるに決まってる。


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