カレの事情とカノジョの理想



私を見て面白そうに笑っていたミカは、ふと真面目な顔になった。


「いいんじゃないのぉ? 脱バージン、相手がヤスくんで」

「なっ……いきなり何言って……!」

「だって美春そろそろハタチでしょー? そんな悠長なこと言ってると、いつまで経っても彼氏できないよぉ?」


それはそうかもしれないけど、あんな軽いヤツなんて嫌。

身体だけが目当てなの見え見えだし!



「……誰でもイイ訳じゃないもん」

「もー……いつまでもそんなんだと、ヤスくん誰かに獲られちゃうよ?」

「それならそれで清々するしっ」

「――それは酷くねぇ?」

「きゃあぁっ!?」



背後から声を掛けられたかと思うと、ぬっと伸びてきた腕にいきなり抱きしめられた。


「仮にもカレシに対する言葉じゃないなーソレは」

「はっ……蓮沼くん!?」


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