カレの事情とカノジョの理想
合コンの出会い
「んじゃ、自己紹介ねー。あたしミカ! S女子大でーす」
居酒屋の喧騒の中で、それに負けないくらい大きいミカの声が響き渡った。
ミカは慣れた様子で男の子たちと話しては、幹事らしくその場を盛り上げてる。
……すごいなぁ……ミカ。
私なんて男の子と話すだけでも、かなり緊張するのに……
場の中心で男の子たちに気を配るミカを見ると、一番端の席でひたすら飲み食いしてるだけの自分が申し訳なくなってしまう。
私と同じ女子高育ちなのに、なんでこうも違うんだろう?
『美春、お願い! 女の子足りないんだぁ。今回だけだから!』
親友のミカに頼まれて、仕方なく引き受けた合コン。だけど、こういうノリにはやっぱり慣れない。
男の子に免疫がないせいもあったし、大学に入って初めて参加した合コンで懲りてしまったのだ。