カレの事情とカノジョの理想
だってその時の男の子たちは、みんなエッチなことばっかりしか考えてなかったから。
ベタベタ触ってきたり、ゲームと称して変な命令してきたり……
『会ったばかりでそんなこと、私には絶っ対、無理!』
隣に座っていた男の子に酔った勢いでキスされそうになって、握り拳で思い切り殴ってしまった。
以来、合コンに誘われても断り続けていたのだ。
私だって別に、男の子に興味がない訳じゃない。
キスだって、その先だって……むしろ好きな人とならって思う。
でも、ソレだけが目的なのは嫌だって私は考えが固いの?
はぁ……だからハタチを目の前にしても、今だに彼氏がいないのかなぁ……
盛り下げない程度に愛想笑いと相槌を打ちながら、こっそり溜息を吐くと、その内抜けようと思っていた時だった。
「――ツマラナそうだね」
席の端っこで料理をつまんでいると、不意に男の人の声が頭上から降ってきた。
視線を上げて見れば、男の人は人懐っこそうな笑みを浮かべながら隣に座った。