明日はアシタの風が吹く~第五話~
モヤシ団子をちらつかせ、俺は思いっきりボールを投げた。
「よし!坂田!あれ取って来い!」
坂田は、やる気なさそうにゆっくりと歩いてボールの方へと向かって行った。
ヨタ~~ ヨタ~~
「こらぁ!やる気あんのかぁ!走れ!」
「体力の無い犬ですね……あんなので大丈夫なんですかね?」
モヤシ男さん……その言葉、そっくりアナタに返しますよ……
ドタ……
「あ……途中で諦めた……」
坂田は、こっちに戻ってこないので、仕方なく俺達の方が坂田のもとへと走った。
「坂田!立て!“チンチンだ!」
「アホン?」
坂田は暫く考えていたが、やがて後ろ足を片方上げて、勢いよく放尿を始めた。
「そのチンチンじゃね~よっ!」
とても俺達だけじゃ、このアホ犬の調教は無理だ……
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