アタシは見てしまった。
手を繋いで家の近くへ行くと
美代子ちゃんがこっちに向かって
ニヤニヤ歩いてきた。
「あっれーーーー?
いつからそんな関係なのよ。」
黙り込んでいる一星とは裏腹に
あたしは照れながら少し笑った。
「あ、やっぱそういう関係なんだ!
奈々なら安心だわ。
一星、奈々泣かせたら許さないから」
それだけ言うと
気分良く歩いて行った。
「………じゃあ、またね。」
「え?………あぁ、またな。」
ぼーっとしている一星を放って
自分の家に急いで入った。