アタシは見てしまった。
「クスッ、ごめんね?奈々。」
光汰は何通ものラブレターを拾い
丁寧に全てカバンへと閉まった。
「女たらしが!」
ほんとモテる奴はムカつく。
「ま、でも気をつけなよ?奈々。」
「何がよ?」
光汰の方を見ると
さっき見せた顔とは違い
急に真剣な顔になっていた。
「……………ははっ、なんて。
考えすぎだと思うけどー。
サトミが呼んでるから
オレ先に行くねー」
訳の分からないことを言い
光汰は去っていった。
また女のとこかよ、って思いながら
あたしも自分の教室へと向かった。