アタシは見てしまった。
涙と温もり
……………………目を開けると
真っ白な壁が広がっていた。
「…っ奈々!」
隣には心配そうに一星が
あたしを見ていた。
「…………一星?」
身体を起こすと声にならないような
痛みが腹部に走った。
「いっ………!」
…………………………………………そっか。
あたし殴られたんだ。
その痛みがさっきの資料室での
出来事を思い出させた。
「奈々!大丈夫か?
無理しなくていいんだぞ?」
お腹を手で抑えうずくまったあたしを
一星は心配そうに見ていた。