アタシは見てしまった。
「何あれ?」
屋上に着くといきなり質問された。
「あれ………って?」
「手繋いで登校してたじゃん。
もしかして、幼なじみくんと結ばれ…」
「そんなわけないでしょ?」
光汰の言葉を遮り
はっきりと言った。
“結ばれるなんて夢のまた夢の話なのに”
心でそう思うと辛かったけど
口にすると余計辛いだろうから
胸の内に収めた。
「なーんだ。
でも手繋いでるってことは
何か進展はあったんでしょ?」
光汰に鋭いとこを突かれると
ため息をして下を向いた…………。