アタシは見てしまった。




一星は何も言わなかった。



いや、言わせなかったの

間違いかもしれない。



だけど、それでもいい。

それでもいいから…………ー


一瞬でもいいからあたしを見てよ。




あたしは

そのまま玄関に座り込み


感情もなくただただ座り込んだ。






…………五分くらいすると


色んな一星が頭から出てきて


ぶわっと涙が溢れた。



「………っ…ヒック……ゥッ………」



手で口を抑えてひたすら泣いた。







他の人の“好き”を


コントロール出来たらいいのに、と



………………この時本気でそう思った。











< 80 / 117 >

この作品をシェア

pagetop