アタシは見てしまった。
次の日、
あたしはいつもより少し早めに出て
一星の家の前で待った。
ガチャっという玄関の音がし
目を向けるとまだ眠そうな一星だった。
「おはよ、一星。」
無表情のまま声をかけると
びっくりしたようにあたしを見た。
きっと気まずくならないように
あたしより先に
学校に行こうとしてたんだと思う。
だけどそれはあたしが嫌だったから
一星の家の前で待ち伏せしていた。
「あ、……と、……おはよう」
交じりあっていた視線はすぐに
逸らされた。