最愛
コンコン
「ゆり、大丈夫か?」
いつもに増して心配そうな声の夏樹。
「夏樹・・・・・・ゴメンね」
「は?」
「迎えきてくれてありがと。うつすと悪いし、今日は帰って?」
「大丈夫なのか?」
「うん」
今は夏樹の顔は見たくない。
1人になって冷静に考えたい。
パタン
夏樹が帰ったらしい。
私はリビングに戻る。
ピンポーン
少ししてチャイムが鳴る。
宅配便かな。
「ゆり~、アタシ。藍だよ」
藍・・・?
想定外の来客に驚く。
ガチャ
「よっ。大丈夫?」
藍は果物の入ったビニール袋を片手に提げていた。