最愛
「どうしたの?」
「具合悪いって言ってたから心配で」
「そっか、ありがと」
「って言うのは嘘。夏樹くんが連絡してきて」
藍の口から意外な人の名前。
「夏樹が?」
「そ。ゆりがダウンしてるから行ってやってくれないか、って。俺だと男だから気使うだろ?、って」
・・・・・・やっぱり夏樹は優しい。
「で、可哀想なゆりちゃんはアタシしか友達いないだろうと思って」
藍が笑いながらそう言った。
「で、具合はどうなの?」
藍は高校の時からの親友。
夏樹が私のそばにいる理由も知っている。
藍になら、話せる。