最愛


「どうしたの?」

「具合悪いって言ってたから心配で」

「そっか、ありがと」

「って言うのは嘘。夏樹くんが連絡してきて」

藍の口から意外な人の名前。

「夏樹が?」

「そ。ゆりがダウンしてるから行ってやってくれないか、って。俺だと男だから気使うだろ?、って」

・・・・・・やっぱり夏樹は優しい。

「で、可哀想なゆりちゃんはアタシしか友達いないだろうと思って」

藍が笑いながらそう言った。

「で、具合はどうなの?」

藍は高校の時からの親友。

夏樹が私のそばにいる理由も知っている。

藍になら、話せる。

< 11 / 73 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop