最愛
夕方夏樹からメールが入っていた。
『飲み会のあと寄る』
あの日は夏樹の誕生日だった。
夏樹が来るかわからないのに、1人で浮かれてケーキなんて焼いて。
プレゼントも用意してたり。
だから夏樹からのメールはすごく嬉しかった。
でも、21時を回っても夏樹は来なかった。
だから私はアパートの外を見にベランダに出た。
ふと上を見上げると、満天の星空だった。
だからつい願ってしまった。
夏樹がずっとそばにいてくれますように、って。
夏樹がそばにいるのが当たり前すぎて忘れていたんだ。
私のせいで、夏樹が色々なものを失ったことを。