最愛
ピーンポーン
呼び鈴が鳴る。
私は駆け足で玄関へ向かった。
「遅かったね?夏樹あのね、星がすごく綺麗だよ」
夏樹からはお酒のにおいがした。
「夏樹飲んだの?誕生日だもんね。私ケーキ焼いたんだよ」
「ゆり―――――――――――」
夏樹はで私の左肩にもたれかかる。
「夏樹・・・・・、たくさん飲んだの・・・・・・?」
「~~~~~~」
「夏樹ゴメン、そっち側じゃよく聞こえないよ」
夏樹はひどく酔っていた。
夏樹の手を引いてとりあえずリビングへ入る。
「ソファでいい?ベッドのほうがいいかな?」
「・・・・・ケーキ?」
夏樹がテーブルに目をやる。
「そうだよ。夏樹誕生日でしょ?でもそんなんじゃ食べられないよ」
「俺のため・・・・?」