最愛
グイッ
「ちょっと夏樹?」
夏樹が私の腕をつかむ。
「どこ行くのっ、ねぇ夏樹?!」
ドサッ
引っ張るようにして連れてこられたのは寝室。
少し強引な夏樹に、私はベッドへ倒された。
「夏樹・・・・・・?」
少し赤い顔の夏樹が襟元のボタン手をかける。
「夏樹やめて」
腕はガッチリと押さえられていた。
「なつ――――――――」
言い終わる前に唇をふさがれた。
深く、長いキス。
「ゆり・・・・・・」
その甘い響に、抵抗することはできなかった。
夏樹は酔っている。
気持ちは入っていない。
わかっていたけれど、やめられなかった。