最愛
「・・・・・・・ゆり?」
朝、寝室から夏樹が出てきた。
「お、はよう。大丈夫?」
落ち着いて、大丈夫だから。
自分に言い聞かせる。
「俺なんで――――――――」
「酔っ払ってここに来たの。ケーキ食べ損ねちゃったじゃん」
夏樹は、頭痛い、なんて顔をしかめた。
「・・・・・なぁ、ゆり」
夏樹の真剣な表情にドキッとする。
「なぁに?」
「俺ら昨日の夜―――――――――」
「夏樹はここに来てすぐに潰れちゃったよ??」
覚えてるの・・・・?
「そうか、俺あんまり覚えてなくて」
そんなあからさまにホッとした顔しないでよ。
りりさんがいるから?