最愛
「今日はそのことで来たんでしょ?」
春斗さんには、隠せない。
「うちに来たってことは、やっぱ夏樹、だよね?」
素直に頷く。
「昨日わかって。病院で7週目って言われました」
「夏樹には?」
「言ってません。言わないつもりです」
春斗さんが目を丸くした。
「なんで?」
「夏樹、好きな人いるみたいなんです。寝言でその人のこと呼んでて。夏樹は罪悪感でそばにいてくれるのに、これ以上迷惑かけられない」
「罪悪感?」
「事故のこと聞いてないですか?」
私は左耳に触れる。
「聞いたけど・・・・・」