最愛
「夏樹には言わないのに、うちには言いに来たんだ?」
「赤ちゃんは、私だけのものじゃないってお母さんが」
「香織さんらしいね。じゃあ1人で産んで育てるつもりなんだ?」
「そのつもりです」
ガチャ
「ゆりちゃん、今のどういうことだ?」
突然ドアが開いておじさんが入ってくる。
うしろにはおばさんがいた。
「おじさん、おばさん・・・・・・」
私は2人に全部話した。
妊娠のこと、相手が夏樹だということ、夏樹にはりりさんがいること、夏樹には言わずに産むということ。
2人は黙って私の話を聞いてくれた。