最愛
「ゆりちゃん、ごめんね・・・・・」
おばさんのその言葉は何に対してなんだろうか。
夏樹が避妊しなかったこと?
それとも、りりさんがいるのに私と関係を持ったこと?
それとも・・・・・この子を堕ろせってこと・・・・?
「ゆりちゃん、本当に夏樹には言わないの?」
「はい。黙っていてもらえますか?」
「ゆりちゃん、夏樹は迷惑だなんて思わないよ?喜んでくれるよ?」
りりさんがいるのに?
「りりさんのことも、きっと何かの間違いだと思う。夏樹は、そんなことするような子じゃない」
「それはわかっています。でも、夏樹お酒たくさん飲んでたみたいだし・・・・」
ふいに春斗さんが立ち上がる。
「親父、おふくろ。ゆりは妊婦なんだからそんな詰め寄るなよ。生まれるまでだいぶ時間はあるし、ゆっくり考えればいいだろう?」
春斗さん・・・・・。