最愛


「ふぅ・・・・。あ、ゆり起こしちゃった?ごめんな」

「夏樹、なんて?」

「ゆりが何か重い病気にかかったと思ったみたいだよ?実家に帰るなんて言うから」

また心配、かけちゃったんだね。

ピロリン

「あ・・・・」

夏樹からのメールだった。

「夏樹って、いつも人の心配ばっかり」

「昔からだよ」

知ってる。

「自分のことそっちのけで、人の心配して、自分の夢諦めてるのに気にしないふりして。もっと、自分の好きなようにすればいいのに・・・・」

「ゆり・・・・・」

「私、夏樹にこれ以上迷惑かけたくないから言えないって言ったけど、本当は、ただ、自分のやりたいことを精一杯やる夏樹が好きなだけ。そばでそれを支えられたらそれが1番だけど、私には邪魔することしかできない・・・・・」

泣いてばっかりでダメだな・・・・・。

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