最愛
コンコン
「ゆり、春斗くん、いい?おりていらっしゃい」
お母さんがリビングへ私たちを呼ぶ。
ガチャ
「座って?」
ソファに体を沈める。
「ゆりちゃん、その子は誰が何と言おうと、ゆりちゃんの子だ」
おじさんが切り出す。
「だから。夏樹のこととか、うちのこととか気にしなくてかまわない。必要なら、私たちも春斗も力を貸すよ」
「もちろん私たちも」
お母さんがニッコリ微笑む。
「赤ちゃん、産んでもいいの・・・?」
みんな、笑顔で頷いてくれた。
「おめでとう、ゆり」
春斗さんがそう言ってくれる。
「ゆりちゃん、産むって決心してくれてありがとう」
おばさんは泣いていた。
お父さんは満足そうに頷いていた。