最愛
真実
あの日以来私は実家にいるようになった。
藍に連絡だけして、1度も向こうに帰っていない。
そのうち大学にも休学届けを出すつもり。
夏樹からは毎日メールがくるけど、元気だよ、とか大丈夫だよ、とか当たり障りのないことを返している。
幸い、大学が忙しく、なかなかこっちに来れないらしい。
「ゆり、大丈夫か?」
私は日々辛くなるつわりに悩まされていた。
「子供産むのって大変なんだな」
「春ちゃん、私も一応女の子だからさ、洗面所までは来て欲しくないんだよね」
コップとタオルを持ったまま春ちゃんは首をかしげる。
「だからさ・・・・吐いてるところとか、汚いじゃん」
「あぁ、ゆりのなら大丈夫だよ」
「そういう問題じゃなくて・・・・」
春ちゃんは仕事が休みの日はずっとそばにいてくれる。
仕事の日も帰りに寄ってくれたり。