最愛
「なんでもっと早く言わなかったんだよ?!」
夏樹が声を荒げる。
「ごめ、んなさい・・・・」
怒ってるよね。
ギュッ
ふいに体が温かく包み込まれる。
「なんで黙ってたんだよ?」
今度は優しい声だった。
体の緊張がほどけ、涙があふれてくる。
「だって・・・・迷惑でしょ?夏樹は、事故のせいで進学先変えたのに、また私のせいで、夏樹の夢をうばっちゃう・・・・」
「バカ野郎っ!!」
「ごめっ・・・・・・」
突然の大声に体が硬くなる。
「お前のせいじゃねぇよっ」
え?
「俺は、俺がお前のそばにいたかったんだよ!!」