...
自分の席に戻る△の背中を見つめていると、
うしろの席に気配を感じた。
あたしの席は、廊下側のうしろから2番目。
トイレや購買に行くにも便利だし、
休み時間になると頻繁に廊下に出る
青山くんを見るにもとても便利な席。
そして、あたしのうしろの席は……
『なぁ、さっきの休み時間、
こっち見てなかった?
なんか用でもあったの?』
「青山くんっ
見てないよ!
あ、あの、あれ!
△が桐原くんのことかっこいい~って言うから
見てただけ!」
あたしのうしろの席は青山くんなのだ。
△、勝手に名前出してごめん。
あとで△にジュースでも奢ろう。
『そっか、ならよかった』
そう言って、クールに微笑み、
青山くんは黒板に目を移した。
あたしは、こうゆうさりげない優しさをもつ彼に
惹かれつつあるんだ。