【祝M氏企画参加作品】神-降臨
「うわっ!神様超使えねー!」
「な、なにっ?」
深イイ話をしたつもりだったのに、男に『使えない』なんて言われたもんだから、神様だって怒る。
「うっさいわ!ボケ!」
神様は、男に向かって雪つぶてを投げつけた。
「イテッ!そんな短気な神様ありえねーだろっ!」
雪つぶてをぶつけ返す男。
「お前こそ、人間が神に暴言吐くなぞ50億年早いわっ!」
「50億年後のいつだよ!何時何分何秒だっ!」
「うっさいわ!お前のかーちゃんデーベーソ!」
「かーちゃんは関係ないだろっ!
お前のかーちゃんこそデーベーソ!」
「わしのかーちゃんマリアだし、美人だし!」
まるで子供のケンカのように、幼稚な罵り合いである。
そして、さんざん罵り合いを続けた後……
突然、神様と男は大声で笑い出した。
「アハハハハハハ♪」
雪の中、大の大人が罵りながら雪つぶてをぶつけ合う今のこの状況が、とんでもなく馬鹿馬鹿しい事だと、二人共ようやく気付いたのだった。
確かに、とんでもなく馬鹿馬鹿しい。
けれども清々しくもあった。
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