華やかな香り(3p)
再会
あの日からすでに半年が経っていた。
ボクは高校最後の夏休みだというのに市立図書館にいた。
広いテーブルの真ん中にボクは腰掛け、参考書と格闘していた。
と、その時、ボクはあの華やかな香りに気付いた。
顔を上げると目の前にあの人がいた。
目が合うと、あの人はふっと微笑んだ。
「長男なのに健二くん」
名前、覚えてくれてたんですね。
「受験勉強?そっかぁ、もう3年生だよね」
どこを受験するかなんて聞かないでくださいよ。
「夢に充ち満ちて、うらやましいな」
そんなんじゃないですよ。
「じゃ、いっしょに死んでくれる?」
ボクの呼吸が止まった。
ボクは高校最後の夏休みだというのに市立図書館にいた。
広いテーブルの真ん中にボクは腰掛け、参考書と格闘していた。
と、その時、ボクはあの華やかな香りに気付いた。
顔を上げると目の前にあの人がいた。
目が合うと、あの人はふっと微笑んだ。
「長男なのに健二くん」
名前、覚えてくれてたんですね。
「受験勉強?そっかぁ、もう3年生だよね」
どこを受験するかなんて聞かないでくださいよ。
「夢に充ち満ちて、うらやましいな」
そんなんじゃないですよ。
「じゃ、いっしょに死んでくれる?」
ボクの呼吸が止まった。