【完】素直になれよ。
「わかんない......」
「...衿華?」
わかんないの...。
私、どうしてこんなこと思ってるのか。
どうして男たちにナンパされてたときに、織川の顔が浮かんだのか。
「なんで......?」
ため息をついて顔を覆い隠すと、
衿華が私の背中をさすってくれた。
「頼りないかもしれないけど、私...話くらいなら聞けるよ?」
そうして私たちは
近くの空いているイスに座って、話すことにした。
「織川のこと...嫌いなはずなのに...。大嫌いなはずなのに...」
私は紗希が居ない間にあった出来事を
包み隠さず全部話した。