【完】素直になれよ。
「離すもんか」...結斗side
――――――――――――...。
「お前、なんか知ってんだろ?」
「先生に向かってお前とか言わないの。」
休み明けの月曜の放課後。
俺は授業が終わってから真っ先に保健室に来て、桜井に問い詰めた。
久留米が...どうして久留米だけが
あんな噂を流されてるのかを。
白衣を着て呑気にクッキーを食べる桜井とは裏腹、
丸椅子に座る俺は真剣な眼差しを向ける。
「あいつに何があった?」
「久留米のことなんて、俺は知らないよ。」
「しらばっくれんな...。お前らが話してんの俺、聞いてんだよ。」
俺がそう言っても、桜井は
「......へぇ。」
とニヤニヤ笑うだけで何も応えない。
こいつ...なんかムカつくんだよな...。