【完】素直になれよ。






「どうせ私は素直じゃないわよ...。」




ボソッと俯いている久留米が呟いた。




「どうせ私は...美優さんみたいに可愛くもないし、素直に甘えらんないわよ!!!」


「...は?あ、おい久留米!」


「ついてくんな変態!!!」



また廊下を走って、階段を駆け下りて

俺から離れていく久留米。



俺は必死でそのあとを追う。




つーかなんであいつ...美優が出てくんだ?




あーもう...わけわかんねーっ......。





「あれ...織川結斗くん...?めっちゃ走ってる...」

「ほんとだ...。あんな姿初めてみた...」

「誰か追ってるみたいだけど.........」




通り過ぎる女子の言葉なんて
俺の頭の中には入らない。



俺の頭ん中は......



あいつのことで精一杯なんだよ...。






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