【完】素直になれよ。
「......らめ...ないんだ。」
......男?
眉をひそめて教室に近づく。
あいつ...男嫌いじゃなかったっけ...?
「俺...まだ好きなんだ...久留米さんのこと。」
「なに言って......」
はっきりと聞こえたその言葉に、イラつきがおさまらない。
ガラッ―――――――――――
勢いまかせに扉を開くと
久留米と...もう一人......
焦げ茶髪の男。
「...誰だよお前。」
俺は名前も知らない男を睨みつけた。
「東堂渉(トウドウ ワタル)。初めまして、織川くん。」
そう言って差し伸べられた手。
チャラそうに見えて、意外と律儀なんだな...。