【完】素直になれよ。





料理に手慣れしてたみたいだし、相当得意なんだな。




「衿華ちゃん、モテるでしょ?」


久留米の作ったハヤシライスを皿に盛りながら美優は言った。



「…知らねーよ」


モテるもなにも、
あいつにはあの噂がまとわりついてて誰も近寄らない。


…誰も……ではないか。



俺は東堂の顔を頭に浮かべた。



久留米が誤解される原因…。

そのくせ好きだなんて


……軽々しく言ってんじゃねー…。



「衿華ちゃん。早くしないと誰かに取られちゃうかもよ?」


クスッと笑う声が台所から届く。



「だから…そんなんじゃねーって…。」



けど…。


東堂渉。_____



久留米衿華は

お前には死んでもやらねー…。




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