【完】素直になれよ。







「悪い悪い...いじめすぎた。」



俺はゆっくりと久留米の身体を離した。


そろそろ俺も...理性の限界だった。




ポンポンと頭を優しく叩いて
彼女の顔をまた下からそっと覗く。



......なんで...んな顔してんだよ。



「お前...俺の事......嫌いじゃねーのかよ。」



耳まで赤くなっている久留米にそう問いかける。




「......わかんない。」


「...。」


「嫌いでは...ない、みたい。」



頬を染めたまま
俺と視線を合わせる。




......っ。



透き通った瞳に囚われて
俺の心臓は暴れ出す。




バカか俺は。


こんな台詞一つで、取り乱すなんて。




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