【完】素直になれよ。
保健委員は楽しいけど
委員長にはなりたくない......。
その願いが通じたのか
1人の女の子が
スッと手を挙げて言った。
「私、織川結斗くんを推薦しますっ」
「...え。」
そうだった。
あの織川も
私と同じ、保健委員の一員。
織川は2年になってから保健委員に入ったけど
キャリアのある私より
仕事をスムーズにこなすし
彼女の言うとおり
織川は委員長に向いていると思う。
まぁ...私以外がなってくれるなら
誰でもいいんだけど...。
「どうだ?織川。やってみるか?」
私の斜め正面に座っている織川の顔を
桜井先生は覗いた。
「はい、やります。」
無理矢理口角を持ち上げて
織川は頷いた。