【完】素直になれよ。
「この様だよ。」
久留米がもっている上履きは
ぐしょぐしょに濡れていて
灰色に染まっていて
中には
生ゴミが詰め込んであったんだ。
「なんだよ...これ。」
俺がそう言うと、
久留米はため息をつきながら
地面にその上履きを置いて、
代わりにさっき落とした紙を拾い上げた。
「こーゆーことだってさ...」
俺に差し出された一枚の紙切れ。
ルーズリーフの切れはしのようだ。
そこに羅列された乱雑な文字。
『私の涼くん奪うなんて最低。
こんなことして楽しい?
男遊びが激しいのは知ってたけど、カップルまでつぶすとは思わなかった。
あんた本当に人間?
あんたなんかいなければよかった。
この学校からも出てって。死ねばいい。』